前述していますが、高額な不妊治療を自由診療でしていながら医療機関には治療成績についての情報開示責任はありません。
体外受精を行う多くのクリニックでは、日本産科婦人科学会が発行しているARTデータブックを見せて「妊娠率は4割だから何度かチャレンジすればそのうち妊娠するわよ。」なんて会話が繰り広げられます。
この確率通りに妊娠すればまだいいのですが、その医療機関の治療成績がARTデータブック以上なのか以下なのかはわかりません。
「ぽころぐ」の調査によると2019年5月で、高度生殖医療を実施する都内の医療機関72院中で治療実績を公開していたのは30院となり約4割しか情報開示していません。
その情報開示方法も年齢、誘発方法、受精方法、年度など統一された前提条件がないため比較することが困難です。
その結果、不妊治療をしたい患者は病院選びに迷って治療成績を知ること無く口コミや知名度に左右されて病院を選んでいると思われます。
この状況について不妊治療専門医の「くろまめ」さんは、施設毎の治療成績の評価方法について下記のような提言をされています。
医療従事者の方から前向きな提言をいただくのは患者として喜ばしい限りです。
参考資料
→ 【東京】不妊治療クリニックの妊娠率等の実績開示状況を調査!公表成績を年齢別に並べてみた
→ 日本の不妊治療について考える written by くろまめさん